オタ芸 クィーン パフューム

パフュームって、日本の誇りであるだけでなく、アキバ系とかアイドルオタク的な日本の後ろめたいとこに繋がっており、
それゆえに、一旦パフュームのファンに成れてしまうと、日本および自分の黒歴史まで許され浄化されたような快感があるのですが、

これ、すごいです。
久しぶりに、死ぬほど笑わせてもらいました。

「うりゃホイ、うりゃホイ」って掛け声二拍子で、音楽とポリリズム形成していないですか?

Perfumeは、ダンスも存在もポリリズム的とか対位法的とか私は書いてきましたが、ダンスそのものはしっかりとリズムを捉えています。
あくまでも音楽、そして歌詞と彼女たちのダンスや存在はイメージとしてズレた部分があるという意味で、ポリリズム的とか対位法的と書いてきたのですが、

しかし、この方々、ほんとにポリリズムしてないですか、そして当然の如く彼らのイメージとアイドルとその歌というのはポリリズム的にイメージが食い違っています。(

ここ一週間、私、Perfumeばかり聴いていたせいで、
このオタ芸が妙にツボにハマるようにマインドコントロールされているのかもしれません。

しかし、この方々の後ろで女子高生が大笑いしている様子を見ましても、
ポリリズム的なものって、なんとも言えない魅力持っているんでしょう、と思う。
Perfumeと違って、この方々は私たちを笑わせてくれるだけですが、それにしてもこれだけ笑わせてくれるということは、パフォーマンスといて優れているのでしょう。
彼らが私たちを笑わせたかったかどうかはわかりませんが、もし、笑わせることが目的だったとしたら、彼らはちょっとした芸人並みの実力です。
「大の大人が、大の大人が・‥おーっおーっ、うりゃホイ、うりゃホイ」



もし彼らのダンスが、もっと女の子の歌とイメージ的、リズム的に寄り添うことができたら、
歌とダンスのあいだには従属関係ができてしまう、歌と女の子に従属する男たちという図が見えるはずなのですが、
両サイドがポリリズム的なので、男たちの存在感の独立性が高くなり、女の子とアイドルポップ歌以上の存在感を醸し出していないでしょうか?


この破壊的な笑い(実際にアイドルポップの世界を完全に破壊してくれていますが)、これって力学構造的にはパフュームのやっていることと同じ、彼女たちの音楽との関わりとほとんど同じだと私には思われます(尤もパフュームの場合は、破壊的というよりは建設的ですが)。


あと、わたし、オタ芸に好意的な人間なんです。
基本、日本人ってブラジル人みたいに自然に踊り出せるような民族じゃないですから、自然にノってる風を装って中途半端なダンスしているの見ると、私辛い。そんではたからどう見られているかをチラチラ気にしているようなのも辛い。
せっかく踊るなら、そういう中途半端なんじゃなくて、汗かくまで踊りたいじゃないですか。
それに、
ダンス得意になるには、数通りのパターン覚えないと無理なわけでして、
そういう実はダンスの本道というのを、限りなく不器用に実践したのがオタ芸であろう、と、私は思う。

彼らは、笑われていますけれども、
それでも普通の日本人よりも遥かに、ダンスの精神理解しているというか、踊ることができている訳です。

遥か彼方で、目もかすむくらいですが、彼らの延長線上にはパフュームのダンスが有る、と。


Perfumeのライブって口パクでダンス主体ですから、彼女たちのパフォーマンスに乗せられることというのは、一緒に歌いだしたくなることではなくて無理でもいいから一緒に何か踊ってみたいという衝動を感じることだと思います。
日本人って自然に踊りだすような民族じゃないです。そして、そんでも、そんな日本人をオタ芸レベルでもいいから踊らせてしまう彼女たちはすごい。


普通のライブだとパフォーマンスの主体は歌ですから、踊りだしたいとなるよりも一緒に歌いたいとなるはずなんで、

観客に強制的に歌わせるフレディーマーキュリー。7分程度の箇所。

「デーオ」

「ディーラララヂィラララデオ」

かれは、ステップを強要したりはしません、あくまでも歌を求めます。
Perfumeの場合だったら当然の如く、歌ではなダンスを求めます。

フレディーの煽りに合わせて、両手を上げる10万の観客。


いままで、これ、感動的なシーンだと思っていたんですが、
パフュームを見てしまうと、イギリス人がオタ芸やっているようにしか見えなくなってきた。
パフュームだって、東京ドームで5万人ライブやりますし、

おこがましい言い方ですが、世界が見えたような気がしました。



あの続きでパフュームが歌う歌詞が、ほとんど「チョコレイトディスコ」の連呼だけ。
それでも、ライブエイドのクィーンみたいに盛り上がってる。

ポップミュージックってなんだろう?単なる音やリズムやメロディーではなく、もっと複合的なイメージの集合体なのだなと実感させてくれる。



Perfumeとクィーンをつなぐ微かな絆。
Perfumeのデビュー曲は、実は爆風スランプメンバーでクィーンの直訳ロックの『女王様』の人。