日本とパフューム

パフュームについて考えながら歩いていると、自分の家の近所で道に迷ってしまった。これはひとつの事件です。神隠しにあったかと思った。

ここ二週間一日一食しか食べていないので頭に血が回ってどうしようもありません。
胃腸に血が流れる必要がないんですから、全部頭に血が行くんですよ。

そうなるとどうなるのかというと、ものすごく頭が冴えているような気になる。
軽四しか運転したことのない人間がいきなりフェラーリ与えられた時スピードをコントロールしきれない感覚とでも例えればいいんでしょうか。

立派なことも書いちゃうんですけど、家の近所で道に迷ったりもするんですよ。



岡田斗司夫氏の『いつデブ』の中にも書かれてあることですが、空腹感というのは、辛い、惨めだ、死にそうだという感覚とはズレたものなんですよ。単なる「お前の胃袋からだよ」というお知らせセンサーに過ぎないんです。
それが一度分かってしまうと、お腹が減ることがそんなに嫌でなくなる。私たちは頭の中で、お腹が空になる感覚、血糖値が下がってくるだるさ、それからそろそろ仕事から休みたいという生活リズムをひとつに束ねたイメージが、空腹感の正体であり、
それらを冷静に自己分析してみると、お腹が鳴るというのはお腹がなっているだけに過ぎないことに気づかされます。


美食というのも、五感全ての総合体験であり、味覚の占める割合というのは美食の中では20%くらいしかないんらしい。そして、感覚体験であるのみでなく、食卓はストーリーにくるまれており、実は人を一番感動させるものは、そのストーリーなのだ。

海原雄山も似たようなことをおっしゃっています。

漫画のキャラにまで敬語使う必要ないはずなんですけど、誰読んでるかわかんねーって状況になると、海原先生とか敬称付けたくなってくるんですよね、変な話なんですが。

石原先生からコメントもらって以来、思うようになったんですが、
誰かの本を読んで、一行でも赤線引くようなことした場合、その著者のことを先生呼ばわりしておくと、

この世の中、楽しく生きれるものらしい。
今まで、本に対して金を払っていたので、それが分からなかったんです。
つい、この本は対価に見合わない、というふうに考えたりしたもんですが、
最近、作家に印税を払うことを全く私はやっていないんです。
ネットで興味深い本を見つけると、すぐに市と県の図書館で検索。大抵これで済んでますが、そこで見つからない場合はアマゾンで中古を探す。それでダメなら、そんな本は世の中に存在しないと自己暗示をかける。

アマゾンでは、
小幡績49円  岡田斗司夫79円 とかの一円でも安いものを購入するんですが、考えてみたら,著者に全く金が流れて言っていないんですよ。


小幡績氏、石原千秋氏、岡田斗司夫氏、これだけブログで爆上げしておきながら、私、これらの先生方に、一円も印税払ったことないという事実に気がついてしまいました。


そして、この、海原雄山にまで敬称付けたくなるような自分の心境の変化とは、著述業が金を生めなくなっている状況に由来するのだろう。
本の著者に対し、金払ったんだからというお客様の尊大な態度が取れなくなった読者の状況のひとつのあり方なのだろう、と思うのです。


パフュームのことばかり考えていたら見えなかったんですが、じつは著述業って、音楽ビジネス並みにマズい状況なんだな、と。

パフュームについて考えるときに、実はポップミュージックの商法は9割がた破綻してしまった背景があります。

Perfumeファンになってびっくりしたことの一つに、ツタヤに東京ドームのDVD借りに行ったら、置いてないんですよ。おいてないどころか音楽DVDのコーナーってほぼ消滅してたんです。だったらDMMならあるんかとネットで調べても、ないんですよ。

さすがに8Gもあるようなデータをダウンロードするのは病毒でも食らいそうで怖いんで、合法なやり方で入手しようと思う人が多いのでしょう。

CDはコレクターズアイテムと割り切り、DVDの販売に軸足を移す。
そのためにはツタヤさんとGEOさんに「CDのことは見逃すから、DVDは勘弁して」とお願いする。
でも、ミュージシャンって映像の専門家じゃないですから、よほど視覚刺激と音楽が密接に絡み合ったものでないと、売ることは出来ない。本来音聴かせるためのもんなんですから、音だけ聞いてりゃいいんですよ。そこに映像をつけて、CDとの料金の兼ね合いを考えると10回くらい繰り返し見れる商品って何%ですか?
パフュームの場合はそれができている。
そして、音楽を聴くにはまずYOUTUBEという人が増えてきている。そういう音楽ファンを釣り上げるにもPerfumeは実に有利だ。

それでも、CDの売上自体はもうどうしようも無く縮小してしまったので、収益を増やすには海外に出稼ぎに行くしか路はない。


10年前のことですけど、
中国人って徹底的に音楽に金を落とさない人たちなんですが、中国の映画のシェアは香港が握っているんですが、ポップミュージックは台湾が握っているんですが、
台湾のアイドルやスターは中国に営業に行くんですけど、そこではだれもCDやDVDを正規版で購入しないから、ライブやって稼ぐしかないんですけど、中国って馬鹿でかい国ですからサッカー場回って一ヶ月のツアーができてしまうんですよ。

CDの売上は捨ててライブで稼ぐというやり方は、中国では日本よりもはるか前に実現していました。

でも、中国くらい馬鹿でかいと、適当なことやってても百万や二百万動員できてしまうじゃないですか、
日本位の規模だと、ライブで稼ぐためには相当知恵を絞って新しいことをやらないといけないんで、この状況からPerfumeのような新しいものが出てくる。

ただしかし、中国で営業すると、政治問題に巻き込まれるから危ないんですよね。
公演の許可を取るために、政治屋とズブズブになってしまう。
右派と左派の対立に巻き込まれて、半日活動のターゲットにされる。頭おかしい奴が楽屋にやってきて汚物撒き散らす。
反日勢力に賛同するような言質を取られる、


台湾のスターって、沢山こういう経験してますから、
あの状況見ちゃうと、Perfumeは中国には絶対いっちゃダメだよな。中国に行くよりも、Perfume東京コンサートのツアー組んでビジネスにしたほうがいいよな、と。
ついでにツアー参加者には直筆のサインオマケであげる。もちろんアルバイトの中国人に書かせた偽物で、漢字が簡体字になってるようなヤツ。


パフュームがまだまだ成功できると私が感じるのは、彼女たちのビジネスは、実はものすごく合理的であるというのが理由の一つでもあります。

そして、ビジネスとして実に合理的であるという点から、彼女たちの下に馳せ参じ、彼女たちのためにプラスになるものを加えてくれている大人、きっといっぱいいるんでしょうね。

パフュームとは、迷走しているように見えるけれども、実はむちゃくちゃ論理的な存在というか組織である、というのも 彼女たちの奇跡の理由の一つでしょう。彼女たちの頑張りは全て報いられる、そして奇跡は起こり続ける。



完全に、話がずれてしまった‥・

海原雄山に敬称をつけたくなる、ということを思いついたとたん、文章の方向が狂ってしまいましたが、

自分で書いてて意外に面白いので、このままにしておきます。