she said she said

She Said She Said  1966年

彼女は言った。「死んだらどんな感じだかわかる」
「悲しいってどんなことかわかる」
そして、僕は生まれてこなかった気分になってしまう。
僕は言った。「誰がそんなこと、君の髪の中に突っ込んだの?」
「僕は頭がおかしくなりそうだ」
そして、僕は生まれてこなかった気分になってしまう。
彼女は言った。「私の言うことわかってないでしょ」
僕は言った。「ちがうちがうちがう、そうなんじゃない」
僕が子供だったとき、
全部うまくいっていた、全部うまくいっていた。

僕は言った。「君が言ってることの意味をわかってるとしても、
ぼくは、もう出ていく。
だって、僕は生まれてこなかった気分になってしまうから」




ジョンレノンがピーターフォンダとドラッグパーティーをしてた時の会話から出来た曲。

ジョンレノンは、小さい時に両親が離婚して、高校生のときに母親が交通事故死。
ピーターフォンダは、母親が自殺死。


ピーターフォンダが、「死んだらどうなるか知ってるよ」ってドラックの酩酊時にジョンレノンに話し続けていたらしい。




ビートルズって、アイドルなんですけれど、この前のアルバムではオブラートにくるまれているけれども、セックスについての歌をいっぱい歌っていますし、この『レボルバー』の中には、死ぬことについての歌がいくつかあります。

それにしても、死ぬってどんなことなんだろう?どんな意味持ってるんだろう?みたいなことをアイドルの分際ではっきりと歌ったのは、この曲が最初なんじゃないでしょうか?

当時ジョンレノン25歳ですか。


画期的なことではあるんですけれども、

それと比べるとパフュームの『edge』ってあーちゃん19歳の時ですか。
自分の作詞ではないとしても、若いよな早いよな

誰だっていつかは死んでしまうんですけど、
こういうこと歌うのって、
何かのどにつっかかるもんがあるはずなんですよね。



そして、さらにパフュームが変なのは、こういう歌詞の歌を聴きながら、ライブで客、メチャクチャ盛り上がってるんですわね。

1966年の『レボルバー』には、『エリナーリグビー』、『トゥモローネヴァーノウズ』と、死をテーマにした歌がちらほら。
同時期に発表されたシングルのB面、『レイン』

雨が降ったらみんな死んだみたいになるけど、ぼくは相変わらずハッピー、みたいな歌詞。

世界を裏側(つまり、死んだ側)から眺めてみようという趣旨の詞がこの頃のビートルズには多い。

私の考えでは、この頃がポップミュージック、ポップカルチャーの転換点だったのだろう、と思われる。



「死んだら、どんなんだか私知ってるよ」
自分の母親からこんなこと言われたら、辛いだろうな。
いや、
みんな、同じなんだけれど、
普通の母親は、こんなこと自分の子供に言ったりはしない。

「死んだらどうなるんだろう、悲しいってどんなことなんだろう」
普通の母親は自分の子供にこんなこと言わないですわ。

だったら、なんで俺を産んだんだ?
そういう反論が子供から出てきますから。

だから、
she said she saidの sheって、死んだお母さんであることがふさわしい、そんな風に思われてしまいます。