感情を書き込む かしゆかのハイヒールだけ赤色のかかと
前回の話の続きです
わたくし、なんども申し上げておりますが、
『不自然なガール』のPVが好きで、百回以上見ているんですよ。
そんだけ見ていても、かしゆかのヒールの色だけ赤だということに気付けなかったんですわ。
PCのちこい画面でyoutube見ているから、こんな細かいこと分からんわ、と言い訳もできますけど、
何をきっかけにそんなちこいことに気づけたのかというと、
このPVって主役がかしゆかのように感じられるので、かしゆかをほかの二人より目立たせるためにどんな演出上の工夫がされているのだろう?とチェックしてみたんですよ。
その際に、『シークレットシークレット』では、かしゆかが赤い指サックで踊っていたことが頭に浮かんできて、かかとの色に注目してしまったんですが、
百回見て気付けなかったことに百一回目で気づけたとして、
百回見てた時には、かしゆかのヒールの色を私が見ていなかったわけではないんです。
目に入っていたんだけど、意識していなかっただけなんですわ。
かしゆかのヒールの色だけ赤色、ということを意識してこのPVを見ると、
「かしゆか目立たせるために努力してるんだな裏方の人たち」とか「Mな男だったら、血が出るまでかしゆかに踏みつけられたいと思うんだろうな」とか感じたりするはずです。
でも、
かしゆかのヒールの色だけ赤色、ということを意識できないままこのPVをみると、
「かしゆかっていいキャラしてんな」という漠とした情感を受け取ることになります。
つまり、わたしたちの感情というのは、
知的な分析思考の対象になりそこねた漠然とした印象によって書き込まれているのかもしれません。
もしそうだったら、相手の感情を左右するには、相手に意識させない形でのメッセージを大量に送りつけてやればいいということになります。
種も仕掛けもある類の芸術ジャンル、たとえば
小説にしろ、映画にしろ、パフュームにしろ、この手のテクニックにどっぷり立脚してるんじゃないでしょうか。