パフュームの見方 『コンピュターシティ』『グリッター』『スパイス』
このブログにperfumeのことを書いて四ヶ月半、つまりファンになって四ヶ月半なんですが、
まいにちyoutube見てると分かってくることもあるわけです。
わかってなかった時に書いてたことと食い違っていたりもするんで、
9月をメドに一度整理したいと思うておるのですが、
この歌イントロもなく間奏もなく、ずっと歌いっぱなしという珍しい構成なんですが、
それ故に、振り付けにはそれに対応する歌詞が必ずあるような気にさせられてしまいます。
普通のポップミュージックでは、振り付けは所詮振り付けで、音楽と完全対応しているはずなくて、リズムに合わせて体動かしているというゆるいつながりなんですけれども、
perfumeの場合は、もっと強いつながり、特にこの曲ではガチガチの対応関係にあるのですが、
例えば、「くもとくもの~を超えて」の振り付け、
ほとんど手話レベルもしくはゼスチャーゲム的に詞を説明しています。
perfumeの振り付けは、どの曲でも必ずそのような箇所があるのですが、
この曲に関しては、その比率が非常に高い。
「絶対故障~りえない」
この箇所にしても、故障したロボットの動きを彼女たちは演じており、ほとんど別の解釈の余地がありません。
しかし、それでも、
「どうしてね~て苦しいの?」
の振り付けって、言葉と全く対応していません。
ついでに言うなら、一見すると絶望的な歌詞なのに、この箇所では女の子三人みんな本当に楽しそうな顔してるんですわね。
ホントのことを言うと、この詞って何表現してるんでしょう?
風の谷のナウシカみたいに周囲の希望を一心に背負って、絶望機械と対峙する女の子の歌なんでしょうか?
それとも、
心が死んだ状態で自分のことをコンピューターのように思っている男の子に、恋心教えてやる女の子の歌なんでしょうか?
詞により多く着目すれば、上の方がより妥当性が高いように思われますけど、
振り付けにより多く着目するなら、下の可能性を排除することは出来ない気がします。
まあ、多重露出的意味の詞なんでしょうけれども。
全部の曲が全部、動作で言葉を説明するわけではなく、
例えば、
『ポリリズム』だと円環すること、ズレることと一致することの繰り返し、
抽象的なイメージを延々と振り付けが表現しています。
ストーリーのような具体的なものを振り付けが語っているようには見えません。
それらと比べても、『グリッター』には今更ながら唸らされます。
わたくし、いままで、なんどもグリッターのことをこのブログに書いてきたのですが、
正直、未だによくわかりません。
PVで言いますと、
Aメロ Bメロ Cメロ として、
Aはそれなりに言葉と動作が対応しています。
Bは、言葉の後ろにある情感を振り付けが表しているようです。
しかし、Cのサビ、本来歌で一番重要なところが、ほとんど振り付けと詞に対応が見られません。
わたし、初めてこのPVを見たときに、何べん見ても、振り付け覚えられる気がしなかったのは、
肝心のサビのところで、言葉とほとんど対応していないからだと、今になると思います。
そんでそれ以上に厄介なのは、JPNツアーのために修正された振り付け。
半分以上修正されています。
多くの曲の場合、PVで振り付けのなかった箇所を埋める新しい振り付けを加えるだけがライブ用の振り付けなのですが、
このグリッター、大きく変わってしまいました。
振り付けが違うということは、歌の意味も変わってしまった、もしくは歌で何を表現したいのかの気持ちが変わってしまったということなんでしょう。
厄介なのは、PVと比べても詞と振り付けの対応関係が薄くなっています。
言葉と振り付けがバシッと対応しているのは、この歌の場合ただの一箇所で、
最後の「キミと祈って〜」
現段階で、この曲のわけわからない歌詞の中で立ち上がった一番の単語が、「祈る」ということなのでしょう。
でも、ここまで、言葉と動きが一致しない曲ってのも珍しいです。
謂わば、「祈る」以外の単語とセンテンスは、全部「祈る」を立てるための捨石ということかもしれません。
ここまで、perfumeってわかりにくい振り付けだったっけ?とほかの作品も振り返ってみたんですが、
『スパイス』
言葉と動きを一致させることで意味を強く出したり、
ずらすことで、聴く者を不安にさせたり考えさせたり、
こういうのって、perfume的には普通だと思うんですよ。
あわや完全対応の『コンピューターシティ』とか、あわや完全不対応の『グリッター』が変なだけで。
「好奇心のスパイスはね〜」
グツグツ煮え立った大釜にスパイスを投げ込む動作…
わたしにとっては、スパイスは色としてより重要で、こんなざっくばらんに鍋に放り込むようなもんじゃないんですけどね。
んでも、この歌を、彼氏の素行調査とか旦那の浮気調査のうたと解釈する人もいるんだろうな。
そして
みんながみんな、ドラッグ体験とかハクスリーの「知覚の扉」のこと思うわけでもないでしょうけど。