チョコレート・ディスコ

言質を取る という言葉がありますが、

この世の中には、心の中では何を思っていても構わないけれども、言ってしまったことには責任を取らされるというルールがあります。


そして、そのようなルールは、私のような人間にとっては生きることを数%辛いものにしているのは事実。

言葉に出さないノンバーバルメッセージを読み取ることに長けているならば、相手の表明している不快感とか、人を小ばかにしたような態度が明確に読めてしまうので、

無性に腹の立つことが多いのですよ。

逆に、相手が口に出すことのない好意に、妙に感動してしまうこともあるので、
嫌なことばかりとは言えませんが。


心の中では何を思っていても構わないけれども、言ってしまったことには責任を取らされるというルールがこの世にあるゆえに、
「詞は振り付けよりも重視すべき情報である」
そう考えている人は多いんじゃないでしょうか?



『チョコレート・ディスコ』で女の子から男の子に手渡されるチョコレートは、手作りなのかどうなのか?

振り付けは、
鍋で溶かして、その味を確かめてる女の子、そしてあんまりおいしいので味見が一口から二口,三口に… となっていますが、


詞には、そういう事どこにも書いてありません。むしろデパ地下でひったくるようにチョコレートを奪い合う女どもの姿が描写されているようであり、

手作り用のチョコの材料だったら、そこまで争奪が激しいものではないと思いますので、

詞的には、チョコレートは手作りではないはず、と私は思います。

では、詞と振付の乖離をどう理解したらいいのか?ということですけど、


基本的に、私は、振付は詞と同等以上の意味があると考える人間で、
そして、
Perfumeの曲の意味は、女の子三人に演じられることで初めて完成すると考える人間でありますから

チョコレートは手作りだ、説支持者です。


バレンタインにチョコをあげるのは一人の女の子だけじゃないから、
出来合いのもので済ませる人もいれば、手作りにこだわる人もいろいろいて、
そういういろいろな人のことを歌ったのが『チョコレート・ディスコ』だ、という意見の場合だったら、
あまり角も立たずに丸く収まることでしょう。





Perfumeには、詞と振付が程よくかい離しているものが多々あります。
この曲の手作りチョコに関する部分は、その代表的なものだと思われますが、


『スパイス』の「知らないほうがいいのかもね」の振り付け。

ドリームファイターには、涙を表す振付が二つあり、そのうちの一つ。
「辛いこととかがあったとしてもそれは君が…」の方で、宝物でない方の涙の振り付けと同じ。


「知らないほうがいいのかもね、もし知ったら悲しくて泣いちゃうかもよ」
詞と振付を組み合わせると、意味がこのように膨らみます。


以前、一泊二食付1万円のホテルの食堂で、『スパイス』をオルゴール調に編曲したBGMを聞いたんですが、それがすごくノスタルジックできれいなメロディだったんですよ。




PS 
「お願い、想いが届くといいな 心こめた とても甘いの」
この一行、よくよく思えば、
やはり、チョコは手作りなんだろうなあ。
出来合いのチョコ買っといて
「お願い、想いが届くといいな 心こめた とても甘いの」
は、さすがに図々しいよ。

Perfume聞くことは私にとって、挿絵つきの現代国語の問題解くことみたいになってしまってることに ふと 気が付く、