Perfumeがネタにされていた107回
『あまちゃん』、もともと震災復興支援を目的としたドラマなのですから、現実とかかわってナンボという作品です。
作中のヒロインが成功していく過程と、ドラマの成功がリンクしているというのもあります。
(まあ、これは割とありがちです)
男スキャンダルで潰れかけた橋本愛が更生していくプロセスがドラマのストーリーとリンクしているというのもあります。
(これは、かなり稀なことでしょう)
実家のセット、スナックのセット、海女カフェのセットに芸達者な連中を十人くらい詰め込んで、アドリブやらせるような演出で、役者の素の部分がボロボロ露呈してくるというのも興味深いし、
震災で汽車の中に閉じ込められた回以降、一気に一般人エキストラの出演率が高くなりました。
そういう仕込を丹念にやってましたんで、音痴なはずの鈴鹿ひろ美が実は歌がうまかったという展開には、完全にやられました。
音痴な薬師丸ひろ子のために、小泉今日子が歌の吹き替えをしていた、って実際は逆だろ逆、などとイライラしつつテレビ見てた人も多かったとは思いますが、
実は、歌がうまかった!というシーンで、現実と虚構がひっくり返ってしまうんですよね。
うたっているときの薬師丸ひろ子、たぶん演技していません、すくなくとも鈴鹿ひろ美という役を演じてはいません。
それ見て、私が思うことというのは、この歌が発売されたことになっている1986年って、小泉今日子と薬師丸ひろ子の主演映画がカップリングで公開された年で、この二人が一緒に仕事したのって、その映画の宣伝以来だそうです。
そういやあ、映画見に行ったよな、当時は映画館の看板書きという仕事がまだあって、小泉今日子の顔ゆがんでいて、いたたまれない気持ちでその看板見上げてたんですが、
そういう記憶をものすごく強く引き起こすんですわね。
ドラマと現実の境目のぼやけた『あまちゃん』ですが、
あれ見てて、おそらくほとんどの人が思ったことは、
GMTって、元ネタのAKBとかももクロよりも、おそらく可愛い。
まあ、ももクロは、アスリートの精悍な感じがあり、そこに関しては叶いませんけど、
見てる人、かなりの割合で、「こいつらデビューしたら、マジで売れるんじゃないか?」と思ってたんではないでしょうか。
伝説のロックスターの物語の映画化とかって、結構あって、たとえば『ベルベットゴールドマイン』ですけど、ストーリーはいいとして、演奏シーンがね、まあ、偽物だし、こんなもんかでおしまいなんですが、
『あまちゃん』の場合は、「元ネタよりレベル上じゃねえの?」です。
そういうのって妄想膨らむんですよね。
能年&橋本コンビなんて、今の日本に彼女たちより可愛いアイドルっていないでしょ。ていうか、ある意味すでに彼女たちアイドルなんですが。
Perfumeがネタにされていた107回
有名アイドルの歌の吹き替えをやらされた為業界から干された過去がトラウマの春子さん。娘のデビュー曲の歌声が電気処理されたことに激怒して事務所に怒鳴り込む、の巻。
「お母さん、Perfumeとか知ってます?」
「知ってますけどぉ!」
なまって地方色を出して親しみやすい、でもそれだけでは弱いので近未来的なものと組み合わせることによる違和感…
「要するに奇をてらってってことね!」
「バッサリだな」
ドラマの中の台詞に過ぎないので、宮藤官九郎の本心というわけではないのでしょうけれども、
ここまで言ってるってことは、それなりに、ボコーダーとか嫌いなんだろうな、パンク系の人だし、
等と思いつつ見ていたのですが、
たんにPerfumeディスっているというよりも、初期のレコーディングでメンバー三人のうちだれか必ず泣いていたというエピソード思い浮かべました。
やっぱ、ほんと嫌なんだろうね。
Perfumeの場合は、ダンスがあって、それにより、声が出せないことのもどかしさが昇華されたんですけど、
近頃いろんなところでぽつぽつ耳にするボコーダーの歌、
ダンスやってない人がああいう曲出すのって、確かに、悲しい。