『あまちゃん』 最終回
最終回は、思った通り、一般人多数エキストラ出演で、
ドラマと現実の境界線のぼやけた話でした。
よくよく考えてみると、こういうのって、AKBとかPerfumeも同じことで、
やってる当事者の成り上がりストーリーを、おいしく味わうというのが当今のアイドルの正味の仕方だとして、
それドラマでマジメにやろうとすると、『あまちゃん』みたいなラジカルな方向に進んでいくんでしょう。
一回15分のドラマなんですから、細かい伏線はったり、無意識的な映像の仕込みやっても、誰も見ていないのが朝の連ドラ。
だから、映像的に重要なシーンは繰り返し繰り返し流していたんですが、
ユイちゃんのモチーフとして トンネル
アキちゃんのモチーフは 海に飛び込むこと
これ、宮藤官九郎が脚色担当した映画『ピンポン』からの流用らしく、
『ピンポン』では、水に飛び込むことは、生まれ変わることの意味でつかわれてましたんで、
『あまちゃん』では、今更飛び込む必要がないので、ラストは、トンネルのモチーフで終わるのだろうと思っておりました。
トンネルは、『あまちゃん』の中では、夢の入り口の意味でつかわれており、
その夢は、東京へ通じる夢だったのですが、
震災の時、その夢の道筋は閉ざされてしまいます。
そして、再び、そのトンネルが通じたとき、その行先 つまり夢を見るべき場所は東京(つまり震災前の画一的な目標)ではなく、
地元(人まねでない自分で規定すべき夢)だったということですが、
そこまでは、最終回見る前からわかっていたんですが、
ここで、まさかのOPにつながっていきます。
トンネルを抜けた後に、OPの北鉄につながり、
二人の女の子が、漁港の入り口の灯台へ向けて走ります。
もしや二人そろって飛び込むんか、やはり、『ピンポン』のI CAN FLYで終了か?と思ったんですが、
結局飛び込みませんでした。
テルマーとルイーズのラストでした。
クドカンが最初に提案したラストは、撮影的に不可認定されたらしく、
もしかすると、二人そろって飛び込むシーンを危険だということで却下されたのかもしれません。
わかんないですけどね。
ただしかし、トンネルを抜けたら、そこに東京があった、という結末だけは絶対にないというのは、文芸リテラシーがあればすぐにわかることでして、
飛び込みはしませんけど、灯台のところで、ぴょんと弾むカットが一人ずつ挿入されます。
(これ、『テルマーとルイーズ』なんですが、『あまちゃん』とキャッチコピー変わんねぇ)
今後は、『ピンポン』『テルマーとルイーズ』見ても『あまちゃん』思い出さずにはいられないとこです。
ついでに、『桐島、部活…』もです。