やまとなでしく

英語って品詞の区別がでたらめに混乱していて、

エルビスの 『Love Me Tender』 って テンダーが形容詞だから、ただしくは Love Me Tenderlyではなからふか? と思ったりもするのですが、

 

「それまちがってね?」って箇所ほど注目をひきやすいもんで、あえてそういうことやって目立とうとするのが人のさが。そんな不正な用法でも慣習化してしまうと文法的に正しいとみなされるようになり、

それゆえ英語のテストには些末でアホらしい設問が増えるのですが、

 

べビメタルの『メギツネ』の

「やまとなでしく女は女優よ」って箇所は、ナデシコって名詞を副詞に変化させるという発明で、それゆえに目立ちます。

もっとも大和ナデシコナデシコが花の名であることを知らない人がかなりいること。さらにはナデシコがどんな花かを知らない人もいっぱいいることから、

ナデシコは、たんなる花の名前から乖離して、女性のしとやかさを表す形容詞的な意味を帯びてしまっているので、

「なでしく」という珍妙な言い方をしたところでさほど違和感ない人も大勢いるかもしれません。

 

『メギツネ』の振り付けでは、

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二の腕をなでなでするフリが充てられています。

いつもの誤変換的ダジャレですが、

 

Perfumeで似たものを探すと、

『マカロニ』の

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「そんな空気もいいよね、柔らかいよね~」

柔らかさの度合いを女の子の体のぽにょぽにょした二の腕で示すフリ。

マカロニの茹で加減を二の腕の柔らかさで示したユーモアという以上に、男女の間柄が体の柔らかい部分に触れあうことも憚らないような状態に至っている、まあ、いうならばセックス多分やってる間柄と思わせるほのエロい含蓄ですか。

 

ある種のPerfumeファンはダンスのシンクロについてやたらと評価しますが、横浜アリーナの『マカロニ』を見直してみると、ここでは三人のダンスのシンクロについてはほぼ無視。あるのは、三人の顔芸のモザイクで、まぁ、ほとんど映画ですわな。