あと『五年間』で世界は廃墟になるという歌  軽音楽史の廃墟巡礼

Perfumeの近未来三部作って、廃墟、もしくはやがて廃墟になる場所を舞台としていますので、

Perfumeの歌の世界って、廃墟の存在を前提にしているといってもいいかもしれません。

 

そして、以前のポップミュージックは廃墟をどのように扱ってきたのだろうと、ちまちま調べてみるのですが、

 

デビッド・ボウイって、その手の歌のエキスパートだったりします。

終末観についてのコンセプトアルバムを何枚も出しましたし、

冷戦のさなかに、西側陣営の飛び地だった西ベルリンに好んで住んだりもしました。

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david bowie + warsow で画像検索すると当然のごとくこのような陰鬱な写真が出てきます。

 

Low

Low

 

 ちなみに、『ワルシャワ』の収録された名盤『ロウ』。

 

 

 

 

 

 


David Bowie 5 years 1975 Dinah Shore show - YouTube

 

イギリスは、第二次大戦以上に第一次大戦の人的被害の方が大きくて、

イギリス人の脳裏にある破滅の光景って、日本人が思うよりも古風な第一次大戦的なものなのかもしれません。

H・G・ウエルズの『宇宙戦争』的なアンティークな滅びの世界とでも申しましょうか。

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そして、イギリス文化がアメリカ的なものに侵食されていく悲しさをリアルタイムで実況している面白さがデビッド・ボウイにはあります。

 

ビートルズだと、英語の本家イギリスが上から目線でアメリカ文化を見てた感があるのですが、

このデビッド・ボウイの悲しさって、

最近の、中国に追い越された日本のつらさ、に通じるものがあるような気がします。

中国の隣に住んでいる日本人が、今現在、ありとあらゆる面で未来に対して希望が見いだせない、

当時のイギリス人はこれに近い感慨持っていたのかもしれません。

60年代とちがって、70年代になると、イギリスのロックミュージシャンは税金逃れのために、次々とアメリカに移住していきました。

そして、イギリスのロックスターの夢の光景って、大英帝国時代の面影がもうどこにもなく、アメリカ西海岸の豪邸のプールサイドに巨乳の姐ちゃんを侍らせて的なものに劣化収束してしまいました。

 

今の日本って、さらに立ち悪いことに、明らかに中国は軍事面で日本の仮想敵国なんですよね。

そりゃ、デストピア的心象風景は日本で流行るよ、と。