ネパールの生き神さま おんなのこは神
インドとチベットの間に、ネパールという細長い国があります。
そこには、クマリという生き神さまがいます。
生き神さまというと、チベットのダライ・ラマは観音菩薩の生まれ変わりというのがチベット世界のお約束事ですが、
クマリに特徴的なのは、
クマリの資格は、初潮前の女の子に限られるという点です。
カトマンズの盆地から複数の容貌優れた幼女の候補者が選ばれ、その中から頭よさそうで家庭環境も優れた子が、クマリに選ばれます。
選ばれたクマリは王宮のそばのレンガの家に家族や身の回りの世話をする人たちと一緒に幽閉状態の生活を何年も送ります。
その間、観光客の拝謁に応えたり、祭祀で重要な役割を果たしたりします。
一度選ばれると死ぬまで生き神さまの地位を離れられないダライ・ラマと異なり、
クマリの場合は、不浄なる血を流すと神聖な力を失うとされ、新しい代のクマリへ譲位させられます。
流血とはいっても、多少のすり傷切り傷程度では見てみないふりをされるのではないでしょうか。
おそらく思春期の初潮が契機で代替わりするのが常なのでしょう。
現在のクマリ、上の写真の女の子は今11歳で、もうすぐ退位されるはずです。
ネパールでは今現在、王室が廃止されており、
クマリの伝統も途絶えるかもしれないと聞いております。
でも、今でも政府役人がもろもろの吉凶をクマリの態度で占うのだとか。
今回、何言いたいのかというと、
このクマリの習俗って、
日本のアイドルの在り方とよく似てないだろうか?
少なくとも私は、ずっと以前にNHKのテレビでクマリのことを見て以来、そう思ってきました。
文化人類学かじったような人が世の中をわかったような目つきで眺めて、そんなふうに思うのは、よくあることかもしれませんが、
このベビーメタルのメイクと衣装を見る限り、アイドルを作り出している側の人たちにも同じ考えの人がいるらしいことが分かります。
日本のアイドルってマスメディアの発達した社会での発明品というよりは、土俗的な文化に根っこのたどれるものなのでしょう。
ベビーメタルの場合は、ユイモアに関してはデビューした時の年齢がクマリ並みに幼いので、特にネパールの生き神様のように見えるのかもしれません。