575 えいごにするなら 343
パフィーを聞いたとき、私が気づいたことなんですが
いまだに日本の歌って、万葉集以来の七五調から抜けられない。
4 ちかごろ
6 わたしたちは
5 いいかんじ
5 わるいわね
5 ありがとね
5 これからも
5 よろしくね
5 もぎたての
3 かじつの
5 いいところ
7 そういうことに
5 しておきな
7 それからさきも
7 またいいかんじ
奥田民男みたいな冗談めかしたことしかやらない人でも、俳句や和歌つなげることだけで歌詞つらぬくこと出来なかった。ただ、基本は七五調だな、って印象がある曲どまりだったんですが、
奥田氏がやりきらなかったのに、中田氏は『五七五』で、あっさりそれやっちゃって、ぜんぜん違和感無かったんですよ。
もしかすると私の空耳アワーかもしれないんですが、
5 このこいは
7 まけたくないの
5 gim・me gim・me up
英語交じりの歌詞で575作ってくるんですね。
これ、びびりました。
七五調で全部乗り切っちゃうだけじゃなくて、そこに英語まで混ぜてくる。
そうか、英語で俳句作るときは、単語の数やアルファベットの数に注目するんじゃなくて、音節に注目すれば、簡単に俳句作れちゃうんだ、と思い知らされた。
ちなみに自分もやってみようと思ったところ、
難しいんでビートルズからピックアップしてみましたんですが、
6 Words are flo・wing out like
9 End・less rain in・to a pa・per cup
17 They sli・ther wild・ly as they slip a・way a・cross the u・ni・ver・se.
ジョンレノンがオノヨーコから俳句教えてもらって作った曲といわれているんですが、音節数ではいくしようという目論見は見えてきません。
ただし、いいリズムといい言葉の響きはあります。
あと、日本語の場合だと、ka ki ku ke ko みたいに一音節がほぼ均一に 子音+母音ですが、
英語の場合 spring だと 子音3個+母音+子音1個
of 母音+子音1個 life 子音1個+二重母音+子音 という具合に、各音節の構成音数がまちまちなんです。
それで、575を音節の数で構成してしまうと、バランスがいまひとつ崩れてしまう。そしてそれ以上に日本語と比べると、長くなりすぎるんで、リズムが悪い。
楽器を人間が演奏すると、楽譜上は同じ音でも、強くはじいたり弱くたたいたり した場合で、音の大きさや残響がまちまちになり、このまちまちさ具合が人間らしさの表現なんですが、
コンピューターで作っちゃうと、楽譜上同じ音が全て均一になってしまう。
この均一さと、日本語の一音節の音の長さの均一さが、妙に嵌るのだと私は考えます。
ちょっとばかし『spring of life』の歌詞調べてみたんですよ。
spring of life 3
はじけるリズム 7
こいをしようよ 7
spring up speed up 4
日本語の歌詞の部分は、7で、七五調維持しているんですが、英語詞は3音節と4音節になっています。
もしかして、英語で俳句を作るときは、3音節 4音節 3音節 出構成してみたらいいんでなかろうか?と思い、ちょっとやってみた。
3 I know you
4 know me that I
3 know you too
まあ、私が書いたわけでなくて戯曲『冬のライオン』にありそうな詞なんですが、
これ、パフュームの五七五のフシで歌ってみたんですよ、試しに。
あっ、けっこう嵌るわ、これは。
アクロスザユニヴァースの三行目を、多少こじつけっぽいんですが、三音節と四音節に分解すると
3 They sli・ther
4 wild・ly as they
3 slip a・way
3 a・cross the
4 u・ni・ver・se.
あっ、出来ちゃった!
ついでにほかのもみてみる。
3 Oh yeah, I'll
4 tell you some・thing
3 I think you'll
3 un・der・stand
2 When I
4 say that some・thing
3+3 I wa・nna hold your hand
3+3 I wa・nna hold your hand,
3+3 I wa・nna hold your hand
ビートルズの『抱きしめたい』ですけれど、基本は三四調なんではないか?と思う次第です。
実はあいつらも、俳句を歌詞にしているようなもんなんでしょうか。
俳句読んでるまでは同じなんですが、各音節の長さにばらつきがあるので、それがメロディーの抑揚に自然になっていたのでしょう。