ストーリーにはメロディーがある? 



この詞、岩井監督と小林武史プロデューサーとチャラの三人で書いているんで、まとまりとれていないというか、おんなじことば何度も使われていて違和感あるんですけれど、

それはいいとしまして、

詞だけ見た場合、どの言葉を一番高い音で表すべきなんでしょうか。
というか、そんな設問って成り立つもんなんでしょうか?

どうも成り立つらしんですよ。

えっ、こんな理屈で歌って成り立ってたんですか?と少々驚く。






ここから何処へいっても
世界は夜を乗り越ていく
そしてあいのうたが 心に響きはじめる


サビの箇所では、この鍵盤上の赤ラインを超えてこの曲中の最高音を出すのが大文字の箇所。
メロディーはこの赤ラインまでは何度もくるんですが、このラインを越えるのはここだけ。

メロディで一番の高音というのは、その曲での中心から一番離れていると言ってもいんではないでしょうか。

そうすると、

遠くへ行く、
乗り越える、
飛び立つ、

そんな言葉とものすごく親和性が高いと考えられる。




あなたは雲の影に 明日の夢を追いかていた
私はうわの空で 別れを想った

「男が自分の手の届かないところに離れていった」ことが、メロディからだけでも推察できる。




私はうわの空で あなたのことを想いしたの
そしてあいのうたが 響きだして・・・
私はあいのうたで あなたを探しはじめる

目の前の現実を無視して必死になって心を凝らすと、いないはずの男の姿が見える。

あいのうたで探し始める。

でも、男を見るけることはできないでしょう。多分死んでるんじゃないのか。そんでももう一回生きる希望は見つけられるかもしれない。



メロディの音の高低を詞の解釈の中に加えていくと、上のようになってしまいました。

もしかすると、あの頃の私は、この曲のこういう仕掛けに泣かされていたのかもしれない。



この歌きいていた10年以上前、スワロウテイルって女のことだとばかり思っていたのですが、
もしかすると、女の元を離れていなくなってしまう男のことだったのかもしれないと思う今日このごろ。

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それでいなくなってしまった男をいつまでも胸の中に留めておくという意味で、胸に蝶の刺青入れてた女。

岩井俊二の中にはそういうイメージがあったのかもしれんな、と思いました。




ママのつで 速く走なかった
泣かない 裸足になった日も
どう考えても、チャラが作詞したと思われる箇所。
ここでも、この曲の最高音が二回鳴る。

一番高音の部分って、一番心の高ぶっている様子の表現だといえるかもしれません。
それゆえ、この箇所は、チャラに優先的に作詞権が渡されたのではなかろうかと勘ぐるのですが、
期待に応えたのか、外したのか、なんともよくわからない詞をはめ込んでくれてます。


男が成長するもしくは大人になるには、がむしゃらに進んでいかなくてはならないのだけれども、
女が大人になるってのは、ほっといても体が変わってしまうわけで、
そういえば、チャラに「かってに来た」という月経についての歌があったと思い出した。