声歪ませること

perfumeのファンになった人たちの音楽嗜好ってのはいろいろあるとは思います。

テクノ好きだけでなく、ファンク好きの人とかもいらっしゃる。


自分の場合は、ビートルズ、デビッドボウイ、ケイトブッシュとかのイギリスポップロックで、

そんなんだから、ロンドンオリンピックの開会式閉会式は録画して、いろいろチェックしたんですが、


ケイトブッシュの曲使われとる。

ネットで調べたら、かなり直前まで出演の可否の交渉してたらしい。
結局、出てないんですが、一曲まるごとセレモニーに使われてました。

85年の曲なんですが、
世界の多方の人たちにとっては、「何この曲?」ってとこでしょうか。


60年代に文革やってた中国ってビートルズ知らない人幾らでもいますし、
インド人やパキスタン人も似たようなもんでしょうし、
60年代や70年代に経済的困窮にあった国々の人たちって、ビートルズなんて知らないでしょうし、英国史観のロック史なんて「なにそれ、食ったらうまいんか?」的なもんでしょう。
世界人口の8割型の人にとっては、そんなもんでしょ。


しかし、わたし個人は
これをきっかけに、ケイトブッシュのこと調べてみたら、20年前の曲をセルフカバーしてまして、



原曲がこっちなんですが、
詞で、コンピューターが発する音声はもともとブルガリアんヴォイスの声だったんですが、
最近セルフカバーされた方では、ボコーダーになってました。

89年の曲ですんで、
「新しいプログラムを電話で注文した」みたいな古臭い状況も含む詞ですけれども、それでも、コンピューター依存症を、ミクシーとかブログとかネットの状況に拡大してみると、
ゾッとするくらい、今の状況に対応してるな、
私が、いちばんperfumeにはまっていた頃って、ほんとこんな感じだったわさ、と。


「食わない、寝ない、緊張感だけがましてくる。
家族が止めるまで、モニターの前に座りっぱなし」



声を歪ませる、機械処理する、コブシを回す、ヴィブラートかける、
そうすることで、

例えば活字にしたら「愛してる」なんて誰がどんな声でどんな口調で言ったかを問わず、全部同じなんですが、
言語にはもともと、そういうデータ圧縮的な側面があるのですが、

言語化によるデータ圧縮を 歌うことで声を歪ませることで、圧縮で失われた領域を復元するみたいな、


perfumeの声の機械処理って、そういうもんだと思うんです。チャラの変な歌い方もそういうもんだと思うんですが、
perfumeとチャラだったら、perfumeの方がいいよな、2012年8月15日の私にとっては。