スパイス

Perfumeって、『コンピューター・シティ』が実質のデビュー曲なんじゃなかろうか、と私は考えてまして、

ぎりぎり許せるところで『リニアモーターガール』は序曲的な存在であり、

それ以前のヴィタミンドロップとかどうでもいいですわ。


映像的にみる人間にとっては、詞との絡みのない振付の曲って詰まんないんですよね。



スパイスの振り付けは、
「扉を開けば…」のところが
コンピューターシティの「逃げ出したい…」のところと同じです。


殻をぶち破る、というのはPefumeがずっと追及しているテーマの一つだと私は思うのですが、


殻をぶち破って外に出るときに、その殻の内側というのは何なのだろう?

たぶんそれは廃墟です。


そう思ってこのPVを見ると、

エレワと似てなくもないな、と思えてきます。



エレワの世界を壊すことに一番熱心だったのはのっちですが、

スパイスの世界を壊すことに一番積極的なのは、

かしゆかのようです。




岡田斗司夫氏が
我の強いクリエーターたちをまとめて一つのものを作り上げるには、組織内部に「なぜこの作品を作らなくてはならないのか、この作品を作ることにどんな価値があるのか」というテーマが絶対必要だ、と言われていまして、

そういうのはリーダーが口に出さなくても、どこかから空気感として形成されてしまうものなんでしょう。

エレワの終末観というのは、Perfumeが解散させられるかもしれないことに対する組織内部の空気感であり、

スパイスでのケーキを踏みにじる行為というのは、
レコード会社移籍に際しての、心理的葛藤の空気なんではないでしょうか。