前回の話の続き 椎名林檎がキャバレー開業するならパフュームはステージにあげてもらえるのか
ニキッド:コールマンがインタビューで語ってたんですが、
ハリウッドでは、女優は四十超えたら仕事の依頼がどっと減る、そうです。
あれだけ女性の権利がどうたらうるさいアメリカでも、おばちゃんの年になると主役が回ってこない、というか主役がおばちゃんの映画がほとんどない。
人のいいお母さんとか、そういう役しか回ってこないようになる。
これが男の場合だったら、四十になっても二十歳の若い娘と恋愛できる役がごろごろしてる。
だそうです。
おそらく、これがパフュームの抱える時限爆弾と同質のものであり、
世の中見回しても、30歳こえた女の状況をリアルに表したポップスってほとんどないですも。
そのうえ、おそらく、中田ヤスタカ、ロリコン気質。
30女の心に沁みる恋愛詞なんて興味ないんだろうな、と。
椎名林檎がキャバレーを開業したらどうなるのか、ということですが、
まあ、彼女、金持ってるだろうし、自分がステージに立つって言えば、融資いくらでも受けられるでしょうし、友達多くて凄い演目用意できるはず。
もう、マジで作ってください。五万以下なら行きますから、という話をずっとしてるのですが、
椎名林檎的には、CD全然売れなくなったし、キャバレー経営しようかなってことなんですが、
新曲売れない、新規のファンが増えない、自分もファンも中年化してきた。
つまり、ファンは減少傾向だけれど、ここのファンは年取った分だけ金持ちになってきてる。
それだったら、三ツ星ディーナーつけて、チケットの単価を5倍以上にして稼ぐのが効率的なのではないか?
たしかに、今の椎名林檎にとっては実に理にかなったやり方です。
「でも、それ、ディナーショーと何違うの?」ということなんですが、
さっき調べてみました、ディナーショーの会場の様子。
ホテルの結婚式会場で、六人掛けくらいのテーブルに見ず知らずの客と相席して、フランス料理とか懐石料理とか食べるのがディナーショーらしいです。
嫌でしょ? そんなしょーもない音響設備、しょぼい照明。そして、気まずい相席での食事。
料金が二万とか三万とかです。
ちなみにこちらは、ムーランルージュの内装。
「あっ、これなら全然アリ。高級レストランと同じ雰囲気だわ」と思われる方も多いでしょう。
三万で高級フレンチディナー付です。
こういうところで、椎名林檎のショートステージ見ながら飯食ったりする可能性が数年後の私たちにはあるのですが、
借り物のホテルの宴会会場と違って、自己所有のキャバレーでしたらどれだけでも内装にこだわることできます。
元々ロックって、キャバレーの芸風になじみが深い。そのうえ椎名林檎は芸域広いから、25分ほどのショートステージを週に五日とか器用にこなせるんじゃなかろうかという気がします。
それ以外は、中国の雑技団とかバリ島の舞踏とか、何でもいいのかもしれません。
ただ、ここで問題なのは、
ディーナーの傍らのショーなのですから、消化に悪影響与えるようなステージやっちゃダメなんですよね。
いくら椎名林檎のファンだとしても、五万払って高級フレンチのメインディッシュ食べてる時に、
この調子で歌われると、さすがに怒ると思います。
あくまでも飯を食っている状態、そして椅子に座ったままの状態で楽しめる音楽と言いますと、
演歌のディナーショウって、その点に関しては合理的なことやっているんだろうなと思うのですが、
もしかすると石川さゆりの一番有名な曲かもしれません。
石川さゆり、この前、椎名林檎と一緒にニューヨーク旅行したそうです。
もともと石川さゆりってアイドルとしてデビューするはずだったんですよね。まあ、そのルックス活かして歌の世界を演じるのが彼女の芸風なんですが、その代わり、歌は八代亜紀に負けてるだろうな、
という気がします。
そんなこんなで、元々アイドルになりたかった椎名林檎とは共通点多いのですが、
キャバレーで歌うとしたら、客との距離の近さが生きる演技ができる人。
音圧とか音量とかにこだわらない、しっとりとした芸のある人でないと難しいだろう気がします。
その点から考えると、ベビーメタルの衣装はフレンチカンカンなんですけれど、キャバレーにあの音量で出てこられたら、客は困ります。
あと、曲のBPMが飯を食うのに適していない。
そういえば、ベビメタが紅白内定らしい。
パフュームとかぱみゅぱみゅとか、わけわからん新人を紅白にだすには、まずNHKが特番組んで一般人に説明しておかないといけないのですが、今年の12月22日にベビメタのロンドン公演の様子を映した特番が放送されるそうで、
これが紅白内定の証だそうな。
それで、「ベビメタが音量を他の演歌歌手なみに抑えたとしたら全然つまらんから、紅白でなくていい」ってファンも結構います。
パフューム、毎年紅白出てますけど、本当は似たような問題抱えてるはずなんですよね。
あれだけ、音圧にこだわるファンが、紅白のパフォーマンスをどう思ってるのか、と。
で、
もし、パフュームが、840席のムーランルージュみたいなキャバレーに出演したとするならどんなパフォーマンスができるのか、ということですが、
音量音圧を抑えることはもちろん、ライゾマの技術も多分使えない。
セットは手書きの書割とかのものすごくアナクロなもの。
(まあ、ワンルームディスコって、割とそんな感じです)
で、キャバレーの常としてバックダンサーはふんだんにいますから、
こういう演目も増えるでしょうか。
年齢的に生足出していいのはあと数年のはずなんですが、
タイツはけば、35でも大丈夫でしょう。舞踏家ってそんな感じですし。
あ、そうそう、私がここでしているキャバレーの規模って、場末のキャバレーではなく、
たぶん、先週パフュームがNYでライブしたのと同じような規模の会場で、フロアにテーブルと椅子をいれますから、キャパが840になるんですよ。
長々書いてきましたが、
ライブであ〜ちゃんが、
勝負曲二割、ファンサービス8割みたいに割り切って、
本来の曲の構成無視したように笑ったり雄叫びあげたりするのは、
でかい会場でのライブを何年間も続けたことが大きいんじゃないか、という気がします。
むしろ、でかい会場では、のっちが何やっているのか全く分からなくて、あ〜ちゃんの存在感しかない。
それが、DVDで見直してみると、「あ〜ちゃん、何やってんだ?」みたいに感想が逆になるわけです。
パフュームのパフォーマンスを芸として磨いていくには、
つまるところ演歌と同じようなステージこなしていくしかないのでしょうか。