そもそも、パフュームって海外に出ていく必要があったのかということですが、
こちらが、去年の為替レートでの、各国の配信とCDその他の音楽商品の市場規模のグラフです。

日本の市場が、非常に目立つゆえに、
「海外に出ていく必要なくね?」とか
「日本人ってそもそも外人の目気にしすぎなんだよね」とか、
そういう意見になりがちなんです。
それに、なぜ韓流が日本目指してやってくるのかもよく分かります。


ちなみに、これを現在の為替レートに直しますと、

かなり日本が縮んでしまいました。
そして、この音楽市場規模の上位20か国の内、ほとんどがロンドンから1000キロ以内に収まっています。
じつのところ、これ、仙台−大阪間くらいの距離でして、

そういうのを考えると、EUってそのうちの先進地域だけで、日本の三倍以上の音楽の市場規模を持っており、ついで北米は日本の二倍以上、
つまり、合わせて日本の六倍ほどの市場があるということになります。

また、日本のCD売り上げの多くがAKBやジャニーズによる実質の水増しですから、
握手会商法に乗るつもりがないとするなら、欧米の市場規模って日本の6倍よりもずっと大きいはずです。
分かりやすい数字で、10倍くらいとしておきましょうか。

しかも日本では、毎年毎年10%以上音楽市場が縮小しています。

こうなると、海外に市場開拓する能力あるやつは、片っ端から外に行け、って話になりますわ。

ベビーメタルに関しては、まさにそれがいい感じで進展しているわけです。

ベビーメタルの海外公演って、パフュームのそれを踏襲しているのですが、

「なんで、ロンドンとパリとケルンの三都市をヨーロッパで選んだの?ミラノとかバルセロナも金持ちでオシャレじゃない?」って問いに対しては、
データが明白に答えを示しています。
イタリア人もスペイン人も音楽に金払ってません。

なんというか、北欧の国と比べると、これら南欧の国は、やはり経済的に劣っているのだなぁという感がひしひしと。

そういう国で、単発でライブやる分にはいいんだけど、ライブやってインタヴュー受けたりテレビに出たりして宣伝した後に、だれも配信やCDやDVDに金落とさないんだったらうまみないでしょ?
しかも、多くの機材を持ち込んだ場合、その輸送費やスタッフの滞在費等で、コストが跳ね上がってしまう。
シンプルなバンドだったら、世界中いろんなところをツアーで回れるのでしょうけれども、パフュームの場合は、赤字覚悟してまでスペインやイタリアに行ってられますか?
という話になります。




これ、ぱみゅぱみゅの海外公演先のリストなんですが、

2/13(木) シアトル
2/15(土) サンフランシスコ
2/16(日) LA
3/ 5(水) シカゴ
3/ 7(金) トロント
3/ 8(土) NY
3/23(日) シドニー
4/ 5(土) 香港
4/25(金) パリ
4/27(日) ケルン
4/29(火) ロンドン
5/17(土)、18(日)東京
5/30(金) 台北
6/21(土) シンガポール
6/28(土) バンコク

やっぱり、ヨーロッパは、パリ・ロンドン・ケルンです。


ついでに、さっきのグラフを、音楽の市場を一人当たりの金額で割ってみると、このようになります。

たとえば、ブラジルは人口二億で、多くの富裕層を抱えますけれども、
基本的に国民の平均はまだまだであり、
そういう国に営業に出かけても、人口密度的にはポツリポツリとしか金落としてくれる人がいないわけです。

さらには、ブラジルは国土が日本の三十倍以上ですから、そういう国を営業で回るというのは時間がかかってしょうがない。

となると、北欧の先進地域を効率よく回る、さらに言うと、その国の情報発信力の中央集権化度合も重要になります。
ドイツの場合、地方分権が比較的強いですから、首都ベルリンの発信能力は相対的に弱く、
それよりかは、フランスのパリやイギリスのロンドンで成功を収めた方が、より効率よくEU域内での宣伝効果があるわけです。

ヨーロッパツアーが単なる宣伝のためでなく、ライブでの収益を見込めるのでしたら、オランダベルギーなども候補地になるのでしょうが、
そうでなく、あくまで、宣伝のためなのでしたら、
まずロンドン、それからパリ、というのが当然のことになります。


パフュームにしても、ぱみゅぱみゅにしても、海外公演は、この水準、
つまり利益をうむ為ではなく、宣伝行為のとどまっているものであり、
さらに言うとその宣伝行為は、Eu域内というよりかは、「海外で大人気」という国内向けのものにとどまっているといえるかもしれません。