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自分のことに関しては無頓着なのが普通の人

温泉に入っていて、温泉のお湯の肌触りをソムリエよろしく感知しようとしたところ、
たまたま、自分の全身の皮膚感覚から、自分の全身の輪郭がどんなだかを実感してしまった、という話ですが、


自分が、ただ単にお湯につかっているというのは当然わかっているのですが、

普通、自分の皮膚感覚がどうしたこうしたということを無視して生きていますので、

これがものすごい違和感なのですよ。

なんか、数メートルの高みから自分を俯瞰しているような感覚というかなんというか。
自分の体の輪郭がわかるような気がするというのは、そういう感覚でして、



臨死体験における浮遊体験というのも、脳の視覚関係の脳細胞から順を追って死んでいく中で、本来の劣等感覚の触覚などが中心になって急ごしらえの知覚の枠組みを作った結果、それまでのリアルさとかけ離れたものになった、

そういうことなのかもしれんな、と。

あとで、コリン・ウィルソンでも読み直してみたいところです。




しかし、ここで言っておきたいのは、自分の体の輪郭が実感できるという感覚は、エリート意識に満ちたエスパーの優越感みたいなものではなくて、

身の程を知ったという感じに近いですね。
自分とはこの程度の存在なんだという実感というか、

触覚というのは、数キロ先までも広がる他者との境界もあいまいな光景や音声の情報とは全然違って、
はっきりと自分がこの世界のどれだけの容積を占拠しているのかが分かってしまいます。


通常の視覚情報ってこんなもの。自分が見ているんですけど、そこには自分が含まれない場合がほとんど。

だから自分を確かめるためには、頬っぺたをツネるという触覚刺激が必要だったりする。


それと比べると、温泉に入っているときの皮膚感覚から類推される自分の体の輪郭はこんな感じ。

これを無理やり視覚的なデータ化して頭で認識してみると、
幽体離脱のようなものに錯覚してしまうこともある。




こういう身体の皮膚の感覚から自分の存在の実感を得ることが、いわゆる頭でっかちになりがちな現代人を治癒する最良の方法であるとして、齋藤孝氏とか矢田部英正氏の授業に参加すると、
足の裏の感覚とか足の指の感覚が敏感になるような訓練を受けさせられるそうです。

私の場合、足の指は鍛えてませんが、

ユビサキの感覚がむちゃくちゃ敏感になりまして、

家にある文庫本と新書本を片っ端からスキャナーで自炊しているんですが、
劣化した紙質の本の場合、いちいち機械に引っかかるので、しょうがないから一枚一枚手で差し込むんですが、
そういうことばかりやっていると、ほんと、指先が性感帯か?というくらいに敏感になります。

というか、別に本のページを一枚一枚丁寧な手つきでめくっていくこと、それも何千何万ページもやることで指先が敏感になる、というと正確にはそういうわけではなくて、

今まではマイナーで意思決定に対して重要でないと無意識的に判断して無視されていた感覚が注目を浴びることによって、鋭くなったように感じられるのでしょう。

逆から言ったら、私たちは普通の状態ではこれらの感覚情報をことごとく無視して、捨てているのですが、

すてられた筈の感覚情報は一体どこに行くのだろう?


私たちの知覚の枠組みに入りきらなかった情報は、


無視され捨てられた筈の感覚情報が、材料となって無意識を形成しているのでしょう、おそらく。

それらは魑魅魍魎な当人にとっては何とも説明しがたいものであり、

意味もなく泣けてしまったり、ありえないくらいに激昂させてくれたりするものらしいです。



それゆえ、私たちは日ごろ無視しているはずの感覚情報とちゃんと付き合ってっ見ると、
自分の無意識的な部分に気づくことが多く、そこから有益な教訓を得たりすることができます。


指の感覚を研ぎ澄ませることで、
それまで、自分がいかに雑に触れていたか、そしてそのことを許容できない人たちと必要のないいさかいを起こしてきたことに思い当たります。
そして、何に対しても敏感な指先で触れるように心がけると、

非常に日常生活において物事がスムーズに進むようになるのですね。
丁寧な手つきで、物事に触れ、冷静にそれに対処することで、非常に効率よく行動できるようになります。

私は自動車の運転が苦手で、自分の車に「ガリガリ君」というあだ名をつけているくらいに、車を傷だらけにしているのですが、

そのような私にしても、丁寧にものに触れることを心がけるようにあると、車の運転においてミリ単位の感覚というものが育ってきます。



少々話は変わりますが、
イデアを出す方法の本、頭をよくする方法論についての本などを読むと、

アイディアを10倍生む考える力

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あなたを天才にするスマートノート

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たいてい書いてあることは

  • 物事を整理して俯瞰的にみること
  • イデアのつながりをバラバラにして組み替えること

の二つです。

つまり自己を客観視することと自己の思考パターンの枠組みを組み替えることですが、


その契機として有効なのが、日ごろ無視しているはずのマイナーな感覚機能であり、
これらとちゃんと向き合うことで、自己を相対化出来たりするものらしいです。