完璧な計算で〜
「完璧な計算で作られた楽園でひとつだけ嘘じゃない愛してる」
この箇所の振り付けなんですが、
「絶対故障だ、ていうかありえない」のポーズ。
故障したロボットが痙攣したように指先だけ動くゼスチャー。
冒頭のポーズはこれと対になっているわけでして、故障していない状態が、
人間の体を、構成物の一部とみなす態度は、共産主義の美学なもんで、戦艦ポチョムキンってそういう映画ですし、ナチのプロパガンダもそういうもんです。
パフュームの振り付けが手話と違う点は、単語一つ一つのレベルをゼスチャーで表現しているわけではないという点で、
「完璧な計算で作られた楽園」(楽園という言い方自体が社会主義っぽい、もしくは『マトリックス』っぽい)
を体で表現するときに、
この図一枚でお終いです。完璧、計算、楽園、そういう単語が並んでいるのではなく、
ひとつのイメージとしての喜ばしくない秩序。
パフュームで何度も何度も繰り返される主要なモチーフなんですが、
突き抜ける、新しい世界へ、等の中田ヤスタカの詞に繰り返されるイメージと対応しています。