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わたし的には、ベビメタの面白さって、
ベビメタ本体より、ベビメタにやられてしまった人たちの反応で、
それを2ちゃんやyoutubeでチェックして、
Perfumeと比べることです。
2ちゃんで拾ったベビメタに関する書き込み。
ベビメタをperfumeに メタルをテクノに変換すると、何か所かのほころびはありますけど、Perfumeファンをほとんど騙すことができる文章になってしまいます。
Perfume現象に興味がある自分としては、
彼女たちがテクノ界にもたらしたものについて考察したいんですが
・アイドルやダンスなどの視覚要素
・他ジャンルとのミックス
・「楽しい」というポジティブな方向性
・テクノというジャンルを対象化するユーモア
・商業主義で作られたグループでもOK
・楽器を演奏してなくてもよい
・英語ですらなくてもかまわない
・ただし上記のすべては、音楽の完成度と、
ライブパフォーマンスの高さによって裏打ちされる必要がある。
（逆にいえば、それさえ出来ていれば全然アリということ）
ただかわいい女の子を用意してテクノを歌わせれば成功するわけなくて、
Pefumeはすべての要素が奇跡的に調和して高みに上ってるから欧米でも通用してる。
昔のボンジョビみたいにロックバンドらしさとアイドル的なポジの中間に位置取りするんじゃなくてテクノの凄味とアイドル的魅力を完全分業制にして両方の要素をとことんまで突き詰めるスタイルはここまで徹底して
やってるのは多分前例が無いと思う
テクノかアイドルかっていう問い自体が無効化されてると思う
ほかのバンドと決定的に違う点は音も視覚的にも詩的にも情報量を徹底的に上げてる点だと思う。
紙芝居、振り付け、ダンス、スクリーム、テンポ、どこかで聞いたようなフレーズ（客の連想）、意外な展開（なんでこうなるの？）。
退屈だけは絶対にさせたくない、消化不良で上等、もう一度聞きたくなれば思うツボ。
たぶん狙いでやってると思う。
ベビメタファンとパフュ〜ムファンって、微妙にずれてまして、
「パフュ〜ムと同じ」って言われることに猛烈な拒否感を持つベビメタ愛好家って結構いるらしいんですよ。
そんでも、上に取り上げたような意見を2ちゃんで見ながら、わたしの場合
「じゃあ、なんでPerfumeってベビメタほど海外受けしないんだろう？」と考えてしまうんですが、
誰にでもぱっと目につく相違点というのは、
- ベビメタは生歌、生演奏
- ベビメタはメタルで、パフュ〜ムはテクノ
「じゃあ、Perfumeも生歌を増やし、場合によってはYMOみたいに生演奏バックにしたらいいんじゃない？」
とか思う人きっといるでしょ？
いや、たぶんそうじゃないと思うんですよ。
youtubeでのベビメタに対する外人の書き込みで面白いのって、
「俺長年メタラーやってきたんだけど、ちくしょう、なんでこんなもんに…。それとも俺はただのペドフィリアだったのか？神様たすけて〜」
みたいな苦悶の告白に出くわすこと。
ベビメタが海外進出の起爆剤にしてるのって、アイドルとメタルのギャップで、
それ見た人って、まず唖然とするわけです。
そしてアイドルとメタルのギャップを起点にして、メタルというかロックのゲシュタルト崩壊を完成させよう、というのがベビメタのやり口だと私は思っているんですが、
Perfumeの場合、国内で成り上がるときに
「アイドルなのに…」というギャップを踏み台にした点では、ベビメタと同じ、
というかベビメタがパフュームの道を別のやり方でたどってるんですが、
- アイドルなのに、かっこいい音楽
- アイドルなのに、広島弁
- アイドルなのに、ブサいぞ、おい！
で、ファンはいまだにこのギャップからくる衝撃をどこかで心の中で感じ続けているのですが、
ただし、海外進出の際には、このギャップって向こうの人には見えないんですわね。
三人ともいい年例になってるし、広島弁って通じないし、普通に美人さんになってるし、
「アイドルっていうからAKBみたいな曲だと思ってたら、むちゃくちゃかっこいいやんか」
そういうの通用しないところでの戦いです。
日本から来たEDMのダンサーという定義に収まってしまい、「アイドルなのに…」というギャップの衝撃がないんでしょう、きっと。
起爆剤抜きでロケット打ち上げようとすることと似てます。
だから、おしゃれ指数向上させようとか、ステージ上のテクノロジーとか、そっち方向に進むしかなかったわけで、
海外でもう少し受けたいとほんとに思うなら、「アイドルなのに…」というギャップの部分スッパリやめてしまうしか方法なかったんじゃないか、
いや、
むしろ、この期に及んで国内で「アイドルなのに…」というギャップの残像を引きずってるってのは小ずるいやり方だよな、崖っぷち感が足りないよな、と思う今日この頃です。
