回顧 海外進出四部作
日本人が海外で受けるには、わかりやすい既存のイメージを演じなくてはいけない、
それって親日国ではいいんですけど、反日国ではつらいんですよね、
で、基本的にはアメリカって戦時中の反日イメージが残留してる国で、その手先のハリウッドが負のイメージ世界にばらまきましたから、ガチの親日国なんか世界にはないくらいに思っておいたほうがいいです、ええ。
だから、日本人が世界に出ていこうとすると、あほみたいな役割演じさせられるってのが、非常に嫌でした、私の個人的な体験も含めて。
でも、ここ二十年くらい 日本のありのままの姿に対する肯定的イメージって普及したのではないか?そして 日本のポップスターが海外に出ていくときも、素のままで何とかなるんじゃないか? そんな風に私も思っていました、2012年の春には。
[Official Music Video] Perfume「Spring of Life」
本格的海外向けというよりかは、レコード会社移籍に関してのあいさつ代わり的な曲だったのかもしれませんけど、
今になって思えば、レコード会社なんか関係ないですからyoutubeの時代には。
私はこの曲、このPV好きなんですけど、海外では認められなかったんでしょうな。
今見ると稚拙ですし、なんというか、この曲とこのPVの魅力って 日本の歌謡アイドル文化に対するパンクロック的なもんじゃないですか?そういう文脈理解してない人にどうですか?って見せても、「しょうもな」で終わり、だったんでしょう。
私も含めて、全般的日本人にも問題がありました。
100年前の人種的偏見、50年前の反日プロパガンダを目の敵にするばかりで、
自分たちの特異な文脈が外人にはどう見えるのかに対してあまりにも無自覚でした。
[Official Music Video] Perfume「Spending all my time」
今になってみるとさ、
『Spice』って密室の中の退屈しきった女の子が外に出てくって話だったんだけど、こちらだとそのままうちに閉じ込められっぱなしって感じですわね。
PV無茶苦茶いい出来ですね。
でも、当時は英語歌詞、やたらネガティブな展開、受け入れられませんでした。
たぶん、『Spring of Life』を踏まえたうえでの路線調節だったのだとは思います。
[Official Music Video] Perfume 「Magic of Love」
私のような前作に違和感を感じたものにはすんなり入ってくる曲だったんですが、今になってみると、
サビの歌詞と振り付けがうまく絡み合っていない、それは日本語わからない外人向けだからという点では『Spending All My Time』と変わらないのがわかります。
でもさ、2013年の時点で既に日本がハイテク国家の代名詞ではなかった、そういう風に受け止められたいとは思っていても、もうそういう実力はなかった、そんな残念感が漂うPVです。
[Official Music Video] Perfume 「Cling Cling」
今になって思うことは、
「きれいな勝ち方にこだわって負けるくらいなら、ひたすら泥臭く勝ちに行け」ってこの数年で日本でも一般化したのかもしれませんが、
これってそういう企画の曲ですよね、
海外成功行き詰った、どうしよ?
ってんだったら、フジヤマゲイシャのイメージににじり寄ってでもってのは、今となると理解できます。
で、今になって面白いなと思うのは、
Perfumeの海外進出って、運営の側も一皮剥けないと無理ってことが分かってた、もしくはこの時Perfumeも何かの壁を感じていたらしく、
大人になったPerfumeから子供たちへ次の世代へというメッセージが詞とPVに表れているんですけど、
当時は、みんなそれをうまく消化することができなかったんですよね。まあ仕方ない、他との整合性無視してこの曲とPVだけでそういうこと言ってたんですから。
で、通してみて思うことは、
詞と振り付けを絡めることはやめにしよう、それよりも音そのものと振り付けを絡めていこう という方針が、海外進出四部作から顕著になり、現在一定の成果を出した、そういうことなのかな、と。
みんながんばったな、とか思うんですけど、
なんか寂しくもありますよ、