モビルスーツ 色彩 パフューム

以前、色彩のことについて書いたんですが、

モビルスーツ色相環についてググっても、誰も書いていないらしいので、私が書いときます。


これが色相環図です。



そんで、その中のうち三原色といわれるものが、この三つ。
本来この三色が、一番バランスのとれた距離感の組み合わせなのですが、
では、この三色の組み合わせが美しいかというと、
コントラストを付けるには弱く、グラデーションを構成するにはかけ離れているというところです。な


更には、三つ並べることにより、自己完結感が出てしまい、

戦隊ものでは、三人のヒーローのほかに、まだ悪役がいますんで、
ヒーローがこのように等間隔の三原色を全部使ってしまうと、悪役の色彩に事欠いてしまいます。



だから三原色の三つを使わずに、微妙にずれた三色をヒーローにあてがい、
緑系の色彩は悪役に残しておいてあげるわけです。


富野由悠季が、ガンダムを作るときに、おもちゃ会社から、ガンダムの色彩は青・赤・黄色の三色を使えと理不尽命令されて渋々それに従ったと語っていらっしゃいましたが、

なぜ、ヒーローにはその三色なのかの理論的背景にはこういうことがあります。



緑系の色彩には猛烈にジオン公国の匂いがいたします。



こちらは色彩を環状にせず、波長で直線に配列したもの。

大体、濃紺と黄緑の間に、暖かい色と寒い色、食べ物にありがちな色となさそうな色の区別が来ます。

ナスビ嫌いな人って、あの色が嫌いだって場合が多いです。

環状につなげなければ、紫は赤とはかけ離れた色でもあるわけでして、
それゆえでしょうか、これも悪党キャラに似つかわしい色だったりします。



富野由悠季安彦良和を悩ませたおもちゃ会社からの命令というのは、このような理屈をもち、そして子供番組的には伝統化しているものなのですが、

パフュームの衣装について見ていると、売れていないインディーズ時代の衣装は、戦隊ものの色彩原則に則っています。
アミューズに移籍してからは、さすがにそのような安直なコーディネートされることがなくなっていきますが、
基本、売れるに従って、衣装の色彩での単純な色分けをパフュームはやらなくなっていく。

売れてくれば、そんなことしなくても、三人の顔の区別がつくようになるのですから当然といえば当然なのでしょうけれども、

それにしても、戦隊モノ的なキッチュな色分けはしなくなります。

これは、パフュームが目指しているところが、ハーモニーであり、三人で共に戦っていこうという姿勢であるからだろうと思われます。

もしくは、単純なアイドルだったら、三人が戦隊モノの三色、赤・青・黄を占めて、緑系をファンのために残しておくということなのかもしれませんが、
パフュームの場合は、アイドルとファンの色分けさえ超えてしまっているのでしょう。



そういえば、ガンダムも続編群では、もうどの組織が正しくて誰が悪党なのかがわからなくなっていきますので、
このへんの色彩理論がどこかに行ってしまいます。伝統的にガンダムは 赤・青・黄それプラス白ですが、それ以外は例外的色彩が増えているように思われます。