『セラミックガール』論考
この箇所の振り付けについて、なんか心の中に引っかかり感じられていた人って多いと思います。
こちら、バングルズの『ウォーク・ライク・エジプシャンズ』
人種差別的で不愉快な題名の曲なのですが、このポーズには、白人国家がオリエントのダンスについてどのような先入観を持ってきているかを露骨に示しています。
別にこの手のポーズは、バングルズのオリジナルでも何でもなく、映像記録的には、私の知る限り、
1919年の『イントレランス』のバビロニア編でこの手のダンスが見られます。
つまり、
本当のところ、オリエント国家のダンスのスタイルがこんな風かどうかは分からないのですが、
100年前から、アメリカ人は、というかキリスト教の白人国家は、オリエント・イスラムってこんな風に踊るという偏見を持っていたということ。
で、マジな話、この手の踊りって、根拠あるの?ないの?とネットで調べてみました。
たぶんないらしいです。
女体を黒衣で覆う伝統の長い地域ですから、女性のダンスの姿って表ざたにならない地域ですしね、
インドとか東南アジアの寺院奉納ダンスは多少似てるかもしれませんけど、それって特殊な場合の特殊な踊りですし。
で、いろいろ読んでみると、
どうやら、エジプトの壁画のスタイルをダンスに取り入れたつもりらしい。
つまり3Dの在り方を無理やり2D化した時に生じた限界を、
「古代エジプト人ってこう踊ったんだ」と低能な誤解したことに由来する、オリエント風味らしいです。
これを、『セラミック・ガール』で見た時、どう思うのか?
ということですが、
あなたがどう思ったかは知りませんけど、
私は、
「あっ、この歌の主人公のロボットってOSにバグが入ってる」っていうもの。
そして、このバグっている個所こそ、完璧な計算で作られたストピアからの脱出口だったりするらしいです。
つづく。